大好きな君にエールを
プルルルルル…
長く鳴り響くコール音。
「やっぱ出ないよな……」
近くにあった時計を見た。あ、まだ部活時間じゃん。
「早かったな。会話したか?」
電話ボックスから出てきた俺に耳を傾け、聞いてきた永松。
「いや、出なかった。多分まだ部活中だと思う」
置いていた自分の荷物を取り上げた。
「残念だな」
「仕方ないんだよ。きっと部活が大変なんだ。あいつ、キャプテンになったから……」
高2の冬、帰省した時に麻帆から聞いた。大変だけど、学べることはたくさんある、と。
トラブルもあったんだよーと困った顔もしていたけど、どこか充実していて安心した。
ちなみに、俺は副キャプテンになった。日々、キャプテンのサポートに苦戦している。