大好きな君にエールを
副キャプテンでこんなに苦労しているのに、麻帆は俺よりも何十倍も苦労しているんだなと思った。
だから電話に出れなくてもいいって思った。麻帆も頑張っているんだからさ。
────そう、この時までは信じきれていたんだ。
でも、いつからだろう。疑うようになってしまったのは。
「マジでー?ついに浮気かよ」
「そーなんだよ。女って影で何してるかわかんねぇし、怖ぇよなぁ」
偶然、クラスメートが話していた会話を聞いていた。浮気、か。
ぽんっと麻帆が出てきた。
いや、ないな。麻帆は絶対にないな。だって遠距離恋愛3年目だし今さら……なぁ。
「わからねーぞ」
永松が現れた。永松とは3年になって初めて同じクラスになった。だからいつも行動は永松と一緒。
「遠距離で荒嶋が傍にいないことに慣れて、新しい奴とか」
「やめろー永松!」