大好きな君にエールを
永松は無表情でポツポツ話していくから怖い。
「縁起でもないこと言うなよっ」
「本当だったらどうすんだよ」
「本当にしたくないっ」
考えたくない。確かに麻帆も共学だし、男…はたくさんいるだろうけどさ。
嫌だ嫌だ。
あんなに支えてくれる最高の彼女を誰かに取られるなんて…絶対に嫌だ。
「でも、お前らなら大丈夫だろ」
そう言って野球の雑誌を読み始めた永松。そこには、全国でも有名な高校生投手の記事が。
春の全国大会で優勝したチームのピッチャーがどーんっと載っていた。
でも目を凝らして見てみると……永松が写っていた。
「盗撮か、コレ」
「そういう問題じゃないだろ?」
普通喜ぶよな、こういうのって。永松はたまにズレてるよ。