大好きな君にエールを





永松は無表情でポツポツ話していくから怖い。


「縁起でもないこと言うなよっ」


「本当だったらどうすんだよ」


「本当にしたくないっ」


考えたくない。確かに麻帆も共学だし、男…はたくさんいるだろうけどさ。


嫌だ嫌だ。


あんなに支えてくれる最高の彼女を誰かに取られるなんて…絶対に嫌だ。


「でも、お前らなら大丈夫だろ」


そう言って野球の雑誌を読み始めた永松。そこには、全国でも有名な高校生投手の記事が。


春の全国大会で優勝したチームのピッチャーがどーんっと載っていた。


でも目を凝らして見てみると……永松が写っていた。


「盗撮か、コレ」


「そういう問題じゃないだろ?」


普通喜ぶよな、こういうのって。永松はたまにズレてるよ。





< 358 / 526 >

この作品をシェア

pagetop