大好きな君にエールを
あたしは滅多に連絡も取れない。それに、電話がなきゃ声も聞けない。
そして、荒ちゃんを見つめることも出来ない。
だから、毎日好きな人を見つめられるひーちゃんが羨ましい。
でも……覚悟してたんだ。荒ちゃんと遠距離になること。
だから遠距離が嫌とか思いたくない。だって、荒ちゃんも辛いはずだから。
ううん……荒ちゃんはもっと辛いはず。だって、家族も友達も誰も傍にいない地にいるんだから。
「麻帆……大丈夫?」
ひーちゃんが心配そうに言った。
「荒嶋くんと会えなくて寂しいだろうけど、あたしがいるからねっ!それに…麻帆の好きな剣道もあるんだから」
ひーちゃん……
そうだね。ありがとう。