大好きな君にエールを





「荒嶋ーっ、気ぃ抜くな!」


その日の放課後の部活、監督に注意された。


「はいっ!すみませんっ」


「永松もだっ。いつもの集中力が切れてるぞ!」


「はい!」


俺のせいで、バッテリーの永松まで怒られてしまった。俺は永松の元へ。


「悪い…永松。俺の二の舞に…」


「お前は悪くねーだろ。今のは俺が悪かっただけ」


「でも…」


「俺の心配をする暇があるなら、自分の欠点を改善しろ」


永松の言葉が胸に染みた。欠点は数えきれない程あるからなぁ。


「ほら、投げるぞー」


永松が語尾を伸ばす時には、いい球が投げられる時だ。約1年間永松の球を取ってきたからわかる。


「よしっ、来い永松!」


「荒嶋、調子乗んなよ」







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