大好きな君にエールを
帰り道、自分の胸が高鳴ってく。進める足が軽々しくなっていくのがわかる。
「そんなに嬉しいか?」
なんて永松にツッコまれた。嬉しいに決まってる。だって、今から愛しの電話ボックスに行くんだから。
「電話して何話すんだ?」
「お互いの日常生活を…」
「彼女に男がいないか気になるだけだろ?」
…はい、そのとおり。今日のクラスの奴の会話が気になって気になって…。
「でもさ永松…俺、束縛みたいじゃないかな?」
「束縛一歩手前、みたいな」
「…やっぱり?」
歩いていた足を止めて、自分の長い長い影を見つめた。束縛一歩手前、か。
「電話…しない方がいいかな?」
「でも荒嶋は気になるから電話したいんだろ?」
ためらって頷く俺。
「だったらすればいいんじゃね?悩むならとっとと行動しろよ」