大好きな君にエールを
「何言ってんの?…荒ちゃん。うざいわけないじゃん。嬉しいに決まってんじゃんっ」
麻帆が必死に訴える。だけど…ごめんな麻帆。
いつもの俺なら『そうだよな』って喜べるけど…今は、ごめん。
「そんな言い訳なんて聞きたくないから」
「言い訳なんかじゃないよっ。本当のことなんだよ?」
「じゃあ聞くけど、なんで男といんだよ。しっかり断れば一緒になんて帰んねーだろ?」
つい冷たい言葉を放ってしまう。
「断ったけど…でも暗いし危ないからって送ってくれるだけで…」
「でも、そいつと何も起きないとは言い切れないだろ?」
「…荒ちゃんどうしたの?いつもの荒ちゃんじゃないよっ」
浮気
俺の頭には、その言葉しかなかった。その言葉しか浮かび上がらなかった。