大好きな君にエールを
「兄貴がココの生徒会で、その部活動紹介の時にビデオ係をしていたんです。それでビデオの編集していた兄貴が大ウケしていて、俺も見てみたら…」
ド派手にズッコケたあたしが写っていたわけね。
中学生という面影を残しながら、クスクス笑う大塚くん。
「ちょっと。そんなに笑わないでよっ」
「だって何回見ても…ウケるっ」
あたしはちょっとだけムカッとしていたけど、さすがに頂点まできてしまったらしい。
「それだけ言いに来たなら、あたしは部活に戻ります。知り合いでもない人の話を聞いている時間はありませんっ」
もうすぐ高校最後の地区大会も近いんだから。そして大塚くんに背を向けたが、引き下がらない。
「待ってくださいっ。これだけは言わせてくださいっ」
大塚くんの必死な声に、あたしは仕方なく振り返った。