大好きな君にエールを
─────…ガシャン
「もう…告白とかふざけないでよねっ」
あたしは部室の棚に八つ当たりをした。そんなあたしに藍は茶々を入れる。
「なーに言っちゃってんの?本当は嬉しかったり…」
「嬉しくないっ。ハッキリ言ってメーワクっ」
あたしには荒ちゃんがいる。だからアタック…とかやめてほしい。でも、本当にアタックしてくるのかな?って何考えてんのあたし。
「でも最近どうなの?麻帆の彼氏くん」
藍が剣道着を着替えながら、小さな声で訊ねてきた。
「……忙しいと思う。連絡が来ないから」
わかってるから。荒ちゃんはキャッチャーだし、副キャプテンにもなったし。
あたしばかりに構ってはいられないことも十分にわかってるから。
それにニュースで言ってたもん。今は春の大会が行われてる最中だって。