大好きな君にエールを
自分で決めたことだったのに、こんなにも泣いてしまってる。きっと…麻帆のことが好きで好きでたまんないんだよな。
「お前、なんでそんなこと言ったんだよ。お前は彼女が…」
「麻帆…男といたんだ」
永松が一瞬だけ、近くに立っていた木に目を向けた。
「電話口から男の声が聞こえて、それで最近電話しすぎとか言ってくるし、つい…」
「距離置こうって言ったのか」
俺は小さく頷いた。
情けないだろう、彼女の言うことを聞かず、近くにいた男の言葉を鵜呑みにしてしまうなんて、さ。
「彼女、何て?」
「…待ってるって言われた。俺が麻帆を信じられるまで待ってるからって…」
「本気で言われたのか?」
「え?…うん」
「中途半端なことするなよ」