大好きな君にエールを
永松の強い口調に耳を傾けた。
「何でそんな中途半端なことしてんだよ。自分から突き放しておいて、待ってるって言われたから待っててもらうのか?」
俺は何も言えなかった。だって、その通りだから。麻帆が待っててくれるって言ったことに甘えてる自分がいるんだ。
「荒嶋、どう考えても自分にとって都合が良すぎ…」
「わかってる。それくらいわかってんだよ」
永松が口をつぐんだ。
「中途半端なことはわかってる。だけど今、麻帆と一緒にいたら…きっと俺たちに未来はない気がしたんだ」
だから少し、時間が必要なんだ。繋がりすぎたから、お互いが、当たり前のように相手が信じてくれていると思い込んでしまっているんだ。
今までとは違う、難関の道。距離っていう時間が必要なんだと永松に言った。