大好きな君にエールを
「背伸びして言ってんなよ」
「べ、別に背伸びなんて…」
「お前らしくない。だけど、お前らしい決断だな」
「…意味わかんねー」
俺がため息をつくと「褒めてんだよ、あほ」と言い、永松が立ち上がった。
俺も涙が止まり、荷物を持って立ち上がった。すると…
「荒嶋、お前中途半端なことしたんだから、しっかりケジメをつけろよ。じゃないと彼女が可哀想だぞ」
永松から再び力強い言葉を入れられた。俺は胸が締め付けられた。
麻帆が苦しんでる。もちろん苦しめてるのは、俺。俺はモヤモヤをかき消すように空を見上げた。
いつもの夜空には、キラキラ輝く宝石があるが、今日は違った。月に雲がかかり、宝石達は身を隠していた。
急に空しくなった瞬間だった。
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