大好きな君にエールを
「なぁ永松!俺は?俺はどーだっ?」
照れている永松に聞くと、
「まだまだに決まってんだろ」
と鋭く斬られた。…ちぇ。結構成長したな、とか言われるかと思ったのにな。肩を下ろして構えると
「まー、あん時よりは成長したんじゃね?」
「…あん時?」
「シゲさんが倒れて、お前が引き受けたキャッチャーデビュー戦」
永松が言ってるデビュー戦とは、1年前の夏の甲子園のことだ。
あの時はシゲさんが倒れたってことがショックでただがむしゃらにキャッチャーの練習をした。だから絶対に良くないプレーばかりだった。
それでも、そんな姿でも君は支えてくれたよな…麻帆。テレビに穴が開くくらい見てくれてたんだろう。
どうしても…麻帆を思い出してしまう。やっぱり麻帆が必要なんだって実感してしまうんだ。