大好きな君にエールを
「結構投げ込んだし、座るか?」
俺の心境に気づいたからか、永松が言った。俺は返事の代わりにミットを外し、永松の隣へ座り込んだ。
「また彼女だろ?」
「…なんでわかるんだよ」
「さっき話の流れを辿れば、テレビ観戦をしていた誰かさんの彼女に繋がる」
永松、君は人の心を読みすぎじゃないか?
「寂しい?」
「なんだよ、急に」
「彼女と距離置いて寂しいかって聞いてんだよ」
「…寂しいに決まってんじゃん。麻帆にもう好きな奴とか出来たんじゃ…って考えると…ダメ。ぐちゃぐちゃになる」
今まで遠距離に耐えて、俺を支えてくれた最高の、君。いくら野球に没頭していても、頭の片隅からは一歩も離れない。
野球は、好き。
だけど…まだ君も好き。