大好きな君にエールを
「でも中途半端にしたのはお前。彼女を突き放したのも荒嶋なんだよ。お前が変わらなきゃ未来はない」
俺が…変われば未来があるかもしれないってことだよな。そして、永松は前を見つめたまま言った。
「辛くても歯悔いしばって立ち上がれ。そして見せつければいい。荒嶋が彼女を想っていることを」
誰にも負けたくなかった。野球も恋も。
野球は俺より上手い奴等がいる覚悟で、花龍に来た。必死にもがいた3年間だった。
恋はたくさんのライバルがいる中で、隙を見つけて麻帆に想いを伝えた。あの喜びは一生忘れない。
どちらにしても、負けたくなかった。勝負じゃないけど、勝ちたかった。
野球への熱意も、麻帆への想いも簡単に説明出来るものじゃない。説明するには、長い長い時間が必要だ。
俺は立ち上がって叫んだ。
「負けてたまるかーっ!」