大好きな君にエールを
そして…俺にも向けられたフラッシュの群れ。内心嬉しかったが…
「優勝した今のお気持ちは!」
「甲子園へ向けて一言!」
「ハイ、こっちにも目線をお願いしまーす!」
「永松くんのボールは…」
恐怖の嵐だ。昨年受けたインタビューとは違う熱気。やはり2連覇だからだろうか?
俺があたふたしながら対応していると、視界の隅で永松が笑っていた。くっそー面白がりやがって。
俺はスマイルだけは忘れず、再びフラッシュの中へ応じた。
「つ…疲れた」
帰りのバスではもうぐったり。斜め前では同じくキャプテンも。
「芸能人はどうだったか?」
少し笑いながら永松が言った。
「冗談じゃない!もうあんな取材はごめんだっ。俺は野球をしに来てるんだし…」
「じゃあ、フラッシュを浴びたくないから、甲子園では勝利しないつもりか?」
「そ、そうじゃねぇけどっ」