大好きな君にエールを
「ずっとさ、1年前…甲子園で負けたことを、康也が自分のせいって責めてないか心配だった」
虫の演奏が聞こえてくる。何匹くらい出てきただろう?
「でも、今の康也を見たら安心したよ。いいマメも作ってんじゃんかよ」
俺の手を指差した。シゲさんは気づいたんだ。俺の手にマメが出来ていることを。
「勝、お前も康也なら投げやすいんじゃないかー?」
「はい。見た目はこんな奴ですけど」
「な、永松!?今なんて!?」
「よく言った、勝っ!」
悲しむ俺を冗談半分で無視して、永松を褒めるシゲさん。懐かしいな。シゲさんといるの。
卒業して、あまり会えなくなっていたシゲさん。でも、時間がある時は花龍の練習に来てくれたりした。
だから誰からも好かれるんだ。そんなシゲさんに惹かれるんだな。