大好きな君にエールを
完璧だと言うと嘘になる。だけど麻帆を想っていることは本当なんだ。
胸が苦しいのは君がいないから。
泣きたくなるのは、君と確実に繋がっている証拠がないから。
「シゲさん、永松…俺、伝えたいです。決勝で勝って…麻帆に自分の気持ちを伝えます」
「おう、その意気だな!」
「もう中途半端なことはするなよ荒嶋」
シゲさんと永松が笑う。俺の切ない心は少しだけ和らいだ。
「なぁ、2人とも。せっかく俺が確保しに来てやったんだから、1回くらい成長したお前らのバッテリーを見せてくれよ」
シゲさんの言葉を聞き、一瞬だけ戸惑ったが道具を持って位置についた。
「1回でいいんスか?」
俺は聞く。
「1回で上等だ!」
シゲさんは手を挙げて、グッドのサインをした。