大好きな君にエールを
それから地区大会まであたしは部活に打ち込んだ。荒ちゃんのことは少しだけ封印した。
でも、荒ちゃんからもらったハート付きの黒ゴムは練習中も身につけている。
黒ゴムを身につけていると、なんだか元気が出るんだ。きっと荒ちゃんも頑張ってるって伝えてくれてるんだよね。
荒ちゃんも頑張ってるって思うとパワーが湧いてくる。頑張ろうと思えるよ。
─────…
「じゃあ、今日の練習はここまで!集合!」
あたしの号令に従い、みんなが集まる。円になってお疲れさまでしたと声を張り上げる。
「明日はいよいよ地区大会!絶対に気を抜かないで戦おう!」
『おーっ』
「特に3年は最後の大会だから、悔いのない試合に…」
「ちょっと待ってよ、麻帆」
絢子があたしの言葉を遮る。
「まだ最後じゃないよ。あたし達は全国行くんじゃないの?」