大好きな君にエールを





─────…そして次の日。


ドッキドキドッキドキ…や、やばいよあたし。今、半端なく緊張してる。


「大丈夫?あさぽん」


藍が心配そうにあたしの顔を覗き込む。あたしは不適な笑みを藍にプレゼントした。


目の前には、大きな大会会場がある。だけど…緊張して入れない。そう思った時だった。


「しっかりしてくださいよ、麻帆さん」


誰かがあたしの肩に手をかけた。聞き覚えのある声。あたしはパッと見た。


「あ、お…大塚くん」


「3年間何回も試合を経験してるくせに、こんな緊張するなんて、麻帆さんらしいですね」


クスクス笑いながら大塚くんは言った。


「うるさい。もう緊張なんて…」


「ハイ、これを食べれば緊張が解けますよっ」


あたしの手の中に渡されたのは、イチゴ味の飴だった。


「…ただのイチゴ飴じゃない」


「食べてみればわかりますよ。じゃ頑張ってくださいね!」







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