大好きな君にエールを
全員整列をして、相手と握手を交わした。
「ギリギリまで追いつめたのに、小手で取られるなんて思ってもなかったよ」
あたしと戦った間原というコは悔しそうに笑った。そう、あたしは最後の最後は小手で勝利を掴んだのだ。
「やったよ麻帆ーっ!!団体戦は優勝だっ」
藍が両手を広げて飛んできた。絢子もやったじゃんと笑った。
「だけど、まだ終わりじゃないよ?今から個人戦が待ってるんだから」
絢子の言葉を聞いて、あたしは黒ゴムを触った。
荒ちゃん…もしかしてエール、送ってくれてたのかな?だから荒ちゃんの声が聞こえたのかな?
そうだったらいいな。まだ荒ちゃんと繋がってるって思えちゃうもんね。
あたしはふっと笑い、個人戦へ立ち向かった。
─────…そして結果は…。
「第2位、倉橋麻帆」
決勝で惜しくも負け、2位となった。だけど、全国に出場出来る枠にいる。
まだ剣道が出来るんだ。