大好きな君にエールを
「はいっ!あたしのおごりっ」
2人で小さな広場にあるベンチに腰掛けると、ひーちゃんからジュースを手渡された。あたしはサンキュ言い、とジュースを開けた。
「部活引退してからどう?」
「なーんか没頭するモンが無くなって寂しいよっ。だけど、進路のことを考えてるかな」
「進路…かぁ」
ジュースを持つ自分の手の力が強くなった気がした。
もう高校3年生。進路はだいたい決まっている。だけどハッキリとは言いきれないあたし。
「ねぇ…麻帆」
「うん?」
「夏に…兵庫の大学に、オープンキャンパスに行かない?」
…兵庫?あたしはひーちゃんの顔を見た。
「サッカー強いし…それに…」
ひそかに頬を染めるひーちゃんを見てあたしは直感した。
「…そのオープンキャンパス、宝賀くんも行くんだ?」
ひーちゃんはコクンと頷いた。