大好きな君にエールを





─────…


「遊びに行くわけじゃないし、いいんじゃないか?」


数日後、顧問に聞き出された答えだった。あたしは本当にいいのか?と押した。


「いい社会勉強にもなるからな。それに全国が終わったら完全に受験モードだ。部活をするなら今のうちだ!」


「はい」


「まぁ主将と副主将が、抜け駆けで合宿とはいい度胸だがな」


あたしと隣にいた藍は顔を見合わせて苦笑い。冗談混じりで、みんなで兵庫に行きますか?と言うと


「費用が足りん」


と真顔で現実的に答えてくれた顧問だった。


強化合宿は夏休み。全国大会まで日は無い。それまでは、この顧問のもとで頑張ろうと決めた。


「あんた達だけ、ずるい」


部活中。絢子はムスッとしながらあたしを見た。


「ごめんね。でも、あたし達がいない間の部活は絢子に頼むから、よろしくねっ」


「うっわ、マジで?」


嫌そうな顔をしつつ、みんなをどう料理しようかと企む絢子であった。







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