大好きな君にエールを
「…なんで……なんで俺じゃダメなんすか?」
大塚くんは体を離し、あたしを見た。
「荒ちゃんしか…彼氏しか見えない」
「離れているのに?会えないのに?……距離を置いてるのに?」
「うん。それでも荒ちゃんしかいないの」
半分は自分にも言い聞かせるように言った。
「…だけど、実際わからないじゃないっすか?今もまだ、彼氏さんが麻帆さんを好きかなんて」
あたしは大塚くんから視線を外して、アスファルトを見つめた。
「遠距離だから会えないのは当たり前。だけど、いつまでもお互いの想いが変わらないとは限らないっすよね?」
「…う、うん」
「それに今、距離を置かれていて連絡も来ない。これってもう…」
そこで大塚くんが言葉を止めた。きっとあたしに気の毒だったんだろうな。