大好きな君にエールを
剣道着という、真夏の炎天下には似合わない格好の麻帆。見てる自分が暑苦しいぞ?
でもすぐに麻帆から目を離した。ずっと見つめていたら、甲子園を忘れそうだったから。
「4番、キャッチャー…」
本物の強打者の登場。だけど、さっきのような緊張は走らない。なぜだかわからない。
だけどもしかしたら、麻帆がいるからかもしれない。
「ストライク!三振!」
不思議と強気に戦え、4番を塁には出させなかった。そして最後の1アウトを奪い、チェンジとなった。
「1点差か。倍返しできるか?」
「でも、頑張んなきゃな!」
部員達が弱音を吐く一方で、気合いを入れ直す。俺も心を入れ換えようとした…が、
「ニヤけやがって」
「……え?」
永松から発せられた言葉に目を点にした。
「いただろ?お前の彼女とやら」