大好きな君にエールを
声の主を見てみると、懐かしい実貴さんとシゲさんがいた。
「2人共、お久しぶりでーす!!」
「本当だよー!!会いたかったよ♪てか麻帆ちゃん、その格好…」
「あ…はは。いろいろあって勢いで来たらこの格好で…」
「カッコいいよ♪あそこで戦ってる康也くんと同じくらいねっ」
実貴さんの言葉に一瞬だけ、シゲさんが拗ねたように見えたのは気のせいかな?
「それより麻帆ちゃん、前行って康也の勇姿を見たいだろ?ほら、来なよっ」
シゲさんが手招きをしてあたしを導いてくれる。熱い観戦の中をあたしは進んでいった。
「よっ、お前ら!あのさ、観戦中悪いんだけどココに人来てもいいか?荒嶋康也の彼女なんだけど」
「シゲさん!!って、康也先輩の彼女さんっスか!!どどどうぞっ」
野球部のユニフォームを着た男のコがあたしに席を譲った。あたしはシゲさんにも男のコにもお礼をした。