大好きな君にエールを
荒ちゃんと一緒に戦うんだ。荒ちゃんと同じ気持ちを味わうんだ。
荒ちゃんが悔しい思いをしたらあたしも苦しみ、荒ちゃんが喜んだらあたしもシゲさんと実貴さんと喜ぶ。
神様、今まで傍にいられなかったから…今日くらいは許して?
最初で最後の荒ちゃんの試合姿、しっかり脳裏に焼きつけたい。この胸の高鳴りだって、空だって。
「康也…どーなるかなっ」
シゲさんがワクワクしながら、荒ちゃんを見つめる。
「きっと打つよっ。ね、麻帆ちゃんっ」
「はい。荒ちゃんは絶対にかっ飛ばします!」
胸を張って言える。あたしの彼氏はかっ飛ばすって。あたしは信じるんだもん。
「ははっ。麻帆ちゃんにこんなに信じてもらえて、康也の幸せモノーっ」
シゲさんが笑いながら、打席に立つ荒ちゃんへ投げ掛けた。
ねぇ荒ちゃん、荒ちゃんは本当に幸せ者だよ。それは…あたしがいるからじゃない。
みんながこうやって、荒ちゃんを応援してくれることが幸せなんだよ。