大好きな君にエールを
「麻帆」
荒ちゃんに名前を呼ばれ、再び胸が高鳴った。
「俺達も行こっか」
ポンッ。
あたしの頭を撫でて歩き出した荒ちゃん。
荒ちゃん
もう荒ちゃんとも最後だね。
もう同じ学校で同じ教科を勉強することもないんだね。
荒ちゃん……荒ちゃんの大きな背中、格好良すぎだよ。
ずっと見ていたいよ。
誰よりも傍にいて、荒ちゃんと笑い合いたい。
「おーい、バカ麻帆。何ボケッとしてんだよ。早く行くぞ」
振り向いた荒ちゃんもやっぱり格好良いや。
「今行くーっ」
あたしは離れる悲しみを抱きつつも、荒ちゃんを追いかけた。