大好きな君にエールを
インタビューや投球も終わり、荷物をまとめた。ふと、戦った跡を見つめた。
やはりマウンドは輝かしい。同時にキャッチャーの居場所も眩しいくらいに汚れていた。
「…終わったんだな」
永松がポツリと呟き、俺は小さく頷いた。まだ残る俺たちの試合の余韻がかすかに香る。
俺は精一杯の空気を吸い込んで、甲子園に叫んだ。
「ありがとうございました!」
─────…
そして、先に集合場所へ行っていたキャプテンの場所へ行こうとした時だった。
ぐいっと誰かに引っ張られた。目隠しをされ、引っ張られていく。永松の「行ってこい」という声は聞こえた。
どこに行くんだよ。てか、引っ張ってんのは誰…
「昨日ぶりだな、康也!」
声だけでわかった。この声は絶対シゲさんだ。
「昨日ぶりです!観に来てくれたんですか!?」
「当たり前だ!大事な後輩の甲子園だぞー?」
クスッと笑うシゲさんが浮かぶ。