大好きな君にエールを
俺は、自然と麻帆を抱きしめていた。一瞬にして、懐かしい麻帆の香りが漂う。
「…ごめんな。一生懸命応援してくれたのに勝てなくて」
「エール届いてたんだ?でもね、あの特大ホームランで十分っ!!」
「ごめんな、本当…」
「…ねぇ荒ちゃん…あたし、寂しかったよ。荒ちゃんから仲直りの電話来なくて寂しかった」
そうだ。俺は麻帆に距離を置こうと言ったんだ。俺は「ごめん」と呟いた。
「謝らないで。謝るくらいなら、これからも傍にいさせてよ…」
「麻…」
「あたし嫌だよ。あの時も言ったけど、荒ちゃんと別れるなんて嫌だっ」
「…ごめん、麻帆」
「嫌だっ。聞きたくない。別れたくな…」
「ごめん、麻帆。俺もやっぱり別れたくない」
やっと気づいたんだ。本当に離れてみて、やっと君の存在の大きさに気づいたんだ。
やっぱり俺には麻帆が必要だと。