大好きな君にエールを
*卒業
──side*麻帆──
「いよいよ卒業式だねー」
あたしの隣でひーちゃんが身だしなみを気にしている。あたしはふふっと笑った。
「荒嶋くんも今日なの?」
「ううん。荒ちゃん達は明後日が卒業式なんだって」
昨日、荒ちゃんから電話があったんだ。『1日早いけど卒業おめでとう』って。長く話せなかったけど、楽しい会話だった。
あの夏の日から、ちゃんとしたカレカノになったあたし達。遠距離は寂しかったけど、春休みはずっと会える。
お互いの進路も無事決まった。あたしも荒ちゃんも大学だ。さらに学科は違うけど同じ大学なんだ。
あっ、これは合わせたんじゃなくて、偶然だったんだよ?本当に。
「整列しろー。もうすぐ卒業式始まるぞー」
担任の言葉が、卒業へのカウントダウンを示す。
もう…卒業か。