大好きな君にエールを
それからのんびりと時間潰し。もう集合時間だなと思いつつ、桜が綺麗だなと見とれていた時、
♪〜♪〜♪
再び着信。んもー今桜がいい感じなのに。あたしは渋々ケータイを取った。
【着信 羽山春貴】
また春貴?ったく、今度は何よ。集合場所違うとか?ふざけないでよっ。
あたしはまたしても。さっきのように電話に出た。
「もしもし?もう○×公園にいるんだけど」
「………」
「…もーしもーし?」
しかし、無言。何よ、春貴の奴。今度はイタ電?
「もしもし、春貴っ?もう電話切…」
「麻帆」
あたしの名前が呼ばれた。だけどしっかりと聞こえた声は、春貴の声じゃなかった。
「おーい、麻帆ぉ?」
「あ…荒ちゃん?」
「当たりっ。なぁ、後ろ見ろよ」
嘘だと思った。だって明後日帰ってくるって昨日言ったんだもん。
だけど、振り向いた先にはあたしとは違う制服を着ていて、ケータイを耳にあてた荒ちゃんが立っていた。