大好きな君にエールを





「な…んでここに?」


あたしはケータイを閉じて荒ちゃんの方へ向かった。


「だって○×公園に集合って、春が言っただろ?」


「そうじゃなくて…明後日…帰って来るって…」


「あーあれ嘘。本当は今日が卒業式だったんだ。それでダッシュで帰って…」


あたしは荒ちゃんに飛びついた。もう何でもいい。今、荒ちゃんが目の前にいる。それだけが幸せだった。


「早く言ってよ、バカ…」


「悪い悪い。麻帆を驚かそうと思ってさ」


荒ちゃんの腕の中は温かかった。改めて、3年前とは全然違う体つきでさらにドキドキした。


「卒業おめでとう」


「荒ちゃんもおめでとぉ…」


泣きたくないのに、桜の花びらがあたしの涙を誘う。


荒ちゃん…荒ちゃん荒ちゃん。







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