大好きな君にエールを





嬉しくて嬉しくて、麻帆が壊れるんじゃないかってくらいに抱きしめた。


辛い思いをたくさんさせた。


たくさん泣かせて、たくさん苦しませた。


2人の歯車が合わなくなって、言い合いをした。些細なことで喧嘩して、距離を置こうと言った。


あの頃は、未来が見えないと嘆いていた。だけど、今は違う。


あの頃という過程があったから、今があるんだ。


喧嘩してすれ違って、互いに泣き合って、そして今、同じ空間にいる。


全部、俺たちに必要な時間ばかりだったんだ。


「荒ちゃん…苦しー」


「わ、悪いっ」


「ふんっ。じゃあ仕返し!!痛いでしょっ?」


今度は麻帆に力強く抱きしめられた。だけど全然痛くない。弱いっつーの。


だけど…そんな麻帆だからこそ、俺が守りたいんだ。







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