大好きな君にエールを
麻帆は俺だけの最高の彼女なんだから。
春風が吹いた。さっきよりも花びらが舞う。すると花びらの1枚が麻帆の髪に付いた。
「麻帆、ちょっと動くなよ」
「え?何!?クモ!?」
「…そ。クモだから目瞑っとけ」
素直に言うことを聞いて目を瞑る麻帆。ったく、こんなに正直じゃ大学でも男に引っ掛からないか心配だよ。
ま、俺がガードしてやるけどさ。
麻帆、お前と出会えてよかった。今までお前と過ごせてよかった。
スタンドから俺の名前を叫んでくれた時、マジで嬉しかった。
これからも、俺だけの隣にいてくれよ。俺もお前にエールを送り続けるからな。
俺は少しずつ麻帆に近づき、花びらを取った。そして、麻帆に顔を近づけて、そっとキスをした。
2人の影が重なったのを見たのはこれからの2人の未来を見守る、暖かい春風と、桜と、春の太陽だけだった。
【END】