大好きな君にエールを
「何考えてたんだよー。……他の奴の事でも考えてた?」
少し拗ねている荒ちゃんは、なんだか可愛いかも。
「まさかっ。誰にも興味なんてないっつーの!」
荒ちゃんは特別だもん、って付け加えると荒ちゃんは嬉しそうに笑った。
ずっと傍にいたい。この笑顔を独り占めしていたいよ。誰にもとられたくない。
─────行かないで。
別の高校なんて、県外の高校になんて行かないでよ。
あたしの傍にいてよ。
言えるものなら言いたい。そんな事を言える立場じゃないけど、やっぱり寂しいの。
「やっべぇっ。麻帆、行くぞ!」
それでも荒ちゃんとは離れてしまう。あたしの手を掴んだ荒ちゃんの手は、とっても大きかった。