大好きな君にエールを
悔しそうに笑い、顔を歪ませて続けて話すキャプテン。
「荒嶋も永松も今日のことは忘れろよな。この情けない試合も、俺たちの……格好悪い姿も忘れてくれ。そして、次の試合は新しいお前達で戦え」
じゃ、と言って片手をあげて去ろうとしたキャプテンだった。
「忘れません」
だけど、永松の言葉によって歩くのをやめた。
「俺達は忘れません。俺達は、先輩達が汗と涙を流してここまで来たのを知っています。だから、その先輩達の姿を忘れることは出来ません。な、荒嶋」
永松に『お前も言え』と目で合図をされた。
俺は慌てて言葉を探した。
「せ、先輩達を格好悪いだなんて思っていません。むしろ格好良いと思っています。本当に……本当に憧れの人なんです」