大好きな君にエールを
麻帆は、重たい防具を身に付けて、風通しの悪い武道館で剣道の練習をしている。
炎天下だが、体を吹き抜ける風を感じられる俺はまだマシだと改めて感じた。
麻帆、熱中症とかになるんじゃねーぞ。
そして夏休みも中旬に差し掛かったある日。
「集合!」
いつものように、新キャプテンの中林先輩から号令がかかった。
「練習お疲れ!今日は午後からは休みだから、家や寮でゆっくり休んでくれ。それと……」
中林先輩がふっと口角をあげたのが見えた。
「明後日から1週間、部活は休みだ」
中林先輩が言った瞬間、わーっ!と賑わう部員達。