大好きな君にエールを
「いろいろとすることがあんだっつーの」
そう言って速足で歩く俺。しかし、永松の足の長さには敵わない。
「彼女にでも連絡すんの?」
永松の言葉に、持っていた野球道具を落としそうになった。
な、な……っ!
「その反応、図星?」
普段は笑わない永松が少し口元を緩めた。
「そ……あっ……な……」
「そんな焦ることか?恋愛禁止でもないだろ。それに誰にも言わん」
あたふたする俺に呟いた永松。
「さ、さんきゅ……」
「ま、青春しなきゃな」
永松はそう言ってふっと笑った。俺は見慣れない光景に戸惑った。
青空が広がる空をバックに、微笑む永松がいたのだから。