大好きな君にエールを




「あ……荒ちゃんはいいの?せっかくの帰省最後の日なのに、あたしと過ごすなんて……」


久々の家だし、のんびりしたいだろうし。


「ぶぁーかっ」


すると、受話器から荒ちゃんの拗ねたような声が聞こえた。


「俺は麻帆に会いたいのっ。家でまったりするために帰るんじゃねーっつの。……お前は会いたくないの?」


「ううん……あたしだって、荒ちゃんに会いたいよ……」


荒ちゃんも同じ気持ちなんだ。あたしに会いたいって思ってくれてたんだ。


「じゃあ木曜日まで合宿頑張れよ!それで金曜日会おうな。帰ってからまたメールすっから」


「うんっ。ありがとう、荒ちゃん!」


「バーカ。……じゃあ切るからな。またな、麻帆」


そうして電話は切れた。



< 78 / 526 >

この作品をシェア

pagetop