大好きな君にエールを
あたしは携帯を置いて、ペンケースから赤ペンを取り出した。
そしてカレンダーを手に取り、荒ちゃんと会う日に、マスからはみ出るくらい大きなハートマークを書いた。
「ふふっ……えへへへっ」
嬉しすぎて、楽しみすぎて自然と顔がニヤけてしまう。
やっと……やっと会える。
新聞でもなく、人からの情報でもなく、電話でもない実物の荒ちゃんに……やっと会えるんだ。
何着よっかな?あっという間に、頭の中はデートのことばかり。
でも……
「デートよりまずは合宿じゃんっ」
目の片隅に入った合宿道具のせいで、ほわわん脳内は一気に消え去ったのであった。