大好きな君にエールを




それから、藍はあたしを優しく抱き締めてくれた。あたしはその優しさに甘えながら、明後日の再会を心待ちにした。


明後日の昼……荒ちゃんと会える。4ヶ月ぶりに、やっと会える。


合宿3日目。さすがに合宿疲れが出たのか、みんな寝つきが早かった。


だけど、あたしが眠りについたのは月の光が一番輝いた頃だった。


────……


「用意……始めっ!」


合宿最終日。


バシィッ!バシィッ!さまざな所から、竹刀の悲鳴が響き渡る。同時に胸が高鳴りだすのがわかった。


あたし達は今、ランニングを終えて2対1の試合形式の練習をしている。


「麻帆行くよ!」


あたしの対戦相手の栞先輩は、あたしに竹刀を向けてきた。



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