大好きな君にエールを
右、左。バシィ!バシィッ!
右、左。バシィ!バシィッ!
さっきからその繰り返し。あたしの目は、栞先輩の動く方向に動く。
「観察ばかりしてないで、かかってきなさいよ麻帆っ」
栞先輩は流れ落ちる汗を気にしながらあたしに言った。
それなら先輩、あたし……
「遠慮……しませんよ」
あたしは栞先輩の返事も聞かず、竹刀を突き出した。栞先輩は目をパチパチしている。
「し……栞先輩すみませんっ。今、返事聞いてなくて……」
「麻帆ーっ!」
すると、栞先輩が防具をつけたまま、あたしに駆け寄ってきた。
「今の打ち方教えて!」
はい?