大好きな君にエールを
「今の麻帆のねっ、すっごくキレが良かったよ!だから、教えてくれない?」
栞先輩がキラキラした目であたしを見る。……いやぁ、あのですね……
「あたし……何も考えてなくて」
「へっ?」
「ただ、栞先輩から1本取ることしか考えてなくて……」
さっきのは本当にそのことしか考えてなかった。栞先輩に勝ちたいって思う一心で。
「そうか……勝ちたいって思いが必要なのか……」
栞先輩はブツブツ呟きながら、頭で剣道を分析をしていた。
それより……そんなにキレ味よかったのかな?さっきのあたしの打ち。
あたしは、栞先輩を横目に自分のプレーを改めていた。