大好きな君にエールを
「倉橋」
すると、監督に呼ばれた。あたしが「はい」返事をすると手招きをした監督。
「何でしょうか?」
あたしは監督の顔色を伺うようにして聞いた。
「倉橋、お前の中学から今までの成績を見させてもらったが、なかなかの実力の持ち主なんだな」
うんうん頷きながら話す監督。
「いや……そんなことないです。普通に剣道してただけで」
「いーや。倉橋の中学の監督と話をしたんだが、今後の倉橋にかなり期待しているそうだ」
「は、はぁ……」
あの監督があたしに期待してるなんて……意外。中学時代、あの監督にはかなりしごかれたからなぁ。