王国ファンタジア【氷炎の民】外伝~新生~
母親に案内されて入ってきた人物にメイリアは眼を瞬いた。
「サリィちゃん?」
しかし、銀髪の子どもはメイリアの呼びかけに首を振った。
「違うよ。今日は僕はおまけ」
「おまけって?」
メイリアの疑問に答えたのは、彼女の母の方だった。
「本命は外に居るわよ。サリィちゃんに頼めばもれなく彼が付いてくるものね」
「か、母さん」
母親のあまりな言葉に抗議するが、おまけ扱いされた当の本人はにこにこ笑っているばかりである。
「入ってくるように呼んでくるわ」
言葉とともに彼女は背を向ける。
サレンスとともにメイリアのお見舞いに来てからこの二月、メイリアはレジアスの姿を見ることはなかった。サレンス自身は二日と開けずに遊びに来ていたが、レジアスはいつも外で待っていて絶対にメイリアに顔を見せようとすらしなかった。
優しい子供は、レジアスは遠慮しているだけと言ってくれたけれど。
(私、嫌われているから)
しかも、嫌われるようなことをした自覚は十分すぎるほどある。
複雑な思いでメイリアは、母親の背を見送った。
「サリィちゃん?」
しかし、銀髪の子どもはメイリアの呼びかけに首を振った。
「違うよ。今日は僕はおまけ」
「おまけって?」
メイリアの疑問に答えたのは、彼女の母の方だった。
「本命は外に居るわよ。サリィちゃんに頼めばもれなく彼が付いてくるものね」
「か、母さん」
母親のあまりな言葉に抗議するが、おまけ扱いされた当の本人はにこにこ笑っているばかりである。
「入ってくるように呼んでくるわ」
言葉とともに彼女は背を向ける。
サレンスとともにメイリアのお見舞いに来てからこの二月、メイリアはレジアスの姿を見ることはなかった。サレンス自身は二日と開けずに遊びに来ていたが、レジアスはいつも外で待っていて絶対にメイリアに顔を見せようとすらしなかった。
優しい子供は、レジアスは遠慮しているだけと言ってくれたけれど。
(私、嫌われているから)
しかも、嫌われるようなことをした自覚は十分すぎるほどある。
複雑な思いでメイリアは、母親の背を見送った。