王国ファンタジア【氷炎の民】外伝~新生~
第8章 小さな恋
会場に到着するなりレジアスは、二人のために空いている椅子を探し出し座らせる。
本格的な祭りが始まるにはまだ少し早い。
花で飾られた広場にはそこかしこに小さな魔火が焚かれ、色とりどりの光をふわふわと放っていたが、見物客より準備をする人の姿の方が目立った。
広場の中央で焚かれるはずの巨大な魔火はまだ見えない。
それは日暮れとともに長老たちの力によって点けられることになっており、メイリアは今日はそこまでしかいられなかった。
「何か飲み物と食べ物を取ってきますね」
レジアスの言葉にメイリアはぴくんと反応はしたが何も言わず、返事をしたのはサレンスの方だった。
「うん、ありがとう、レジアス」
レジアスの姿が飲食物が用意された一角に消えたとたん、メイリアは深々とため息をつく。
「レジアス、見とれてたね」
「え? 違うでしょ」
サレンスの言葉をメイリアはすかさず否定する。
さっきから、レジアスは彼女のほうを見ようともしない。と言うか、あからさまに視線を避けられていた。
たしかにサレンスと比べれば見劣りがするだろうけど、そこまで酷いとは思っていなかっただけに内心かなり傷ついていたメイリアであった。
「そんなことないよ。レジアス、メイリアがあんまりキレイだから困っているんだよ」
メイリアの気分を察したのか、サレンスがレジアスを弁護するようなことを言う。
それにすら、メイリアは噛み付いてしまう。
「どうして困るのよ」
「うーん、なんでだろう」
さすがにまだ幼い彼では男女の心の機微は難しかった。
本格的な祭りが始まるにはまだ少し早い。
花で飾られた広場にはそこかしこに小さな魔火が焚かれ、色とりどりの光をふわふわと放っていたが、見物客より準備をする人の姿の方が目立った。
広場の中央で焚かれるはずの巨大な魔火はまだ見えない。
それは日暮れとともに長老たちの力によって点けられることになっており、メイリアは今日はそこまでしかいられなかった。
「何か飲み物と食べ物を取ってきますね」
レジアスの言葉にメイリアはぴくんと反応はしたが何も言わず、返事をしたのはサレンスの方だった。
「うん、ありがとう、レジアス」
レジアスの姿が飲食物が用意された一角に消えたとたん、メイリアは深々とため息をつく。
「レジアス、見とれてたね」
「え? 違うでしょ」
サレンスの言葉をメイリアはすかさず否定する。
さっきから、レジアスは彼女のほうを見ようともしない。と言うか、あからさまに視線を避けられていた。
たしかにサレンスと比べれば見劣りがするだろうけど、そこまで酷いとは思っていなかっただけに内心かなり傷ついていたメイリアであった。
「そんなことないよ。レジアス、メイリアがあんまりキレイだから困っているんだよ」
メイリアの気分を察したのか、サレンスがレジアスを弁護するようなことを言う。
それにすら、メイリアは噛み付いてしまう。
「どうして困るのよ」
「うーん、なんでだろう」
さすがにまだ幼い彼では男女の心の機微は難しかった。