我が道をゆく!!



それから数時間、藤沢先輩は眠り続けた。

そりゃ大会あとだもん、体のすべてが疲れきっていたに違いないよね。

あたしも、今日一日のことを思い出しただけで疲れちゃうくらい。

ようやく真っ正面から向き合えるようになった。
ずっとずっと怖がっていた、鍵をかけて心の奥底にしまいこんだ引き出し。
男の人を信じて、そして向けてくれた気持ちを受け入れること。


「勇気をくれたのは、先輩ですよ」


ほんの数日前までは、強引で、威圧的で、迫力にばかりに頼るだいっきらいな先輩だったなんて思えないくらい…、そのくらい、いつの間にか大きな存在になっているんだから、先輩としては狙い通りというか、なんというか。

なんだか悔しいんだけど、、ね。


それでも今目の前で、無防備に寝息をたてる先輩を見てると、不思議と守られてるような、背中がフワリと温まるような、そんな感覚になる…



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