Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
西崎さんに明日以降のシフトを教えて電話を切った。
西崎さんのほうのシフトを調整してからまた連絡をくれるらしい。
それにしても…
はーー緊張したーー。
まさかまさか西崎さんから食事に誘ってもらえるだなんて…
しかも2人っきりだなんてっ…
快挙だよ?
5年近くいっしょに仕事してて初めてだよ?
信じられない。
どうしようっ、あたし、どうなっちゃうのっ?
―――…
『今夜は何だかいつもと様子が違うね?』
ホテルの最上階。
しっとりとした雰囲気のなか、和やかに食事をするあたしと西崎さん。
目一杯オシャレしたあたしは西崎さんににっこり微笑みかける。
『今夜はここから眺める景色よりも村瀬のほうがずっと素敵だよ』
食事を終え、あたしたちは大人のムードたっぷりなラウンジへ。
お酒が入った西崎さんは普段よりセクシーで、饒舌で、時折さりげなくあたしに触れてくる。
尽きることない会話に美味しいお酒、だけども楽しい時間はやがて終わりを告げる。
『そろそろ行こうか?』
別れの時、切なくて切なくて、まだ帰りたくなくて、あたしは西崎さんの服の裾を思わずつかんだ。
それに気づいた西崎さんは優しく微笑み、あたしの手をぎゅっと握る。
『――部屋を取ってあるんだ』