Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]
「目が覚めたらおまえの姿がなかったから、もう帰ったのかと思って…」
熱があるせいか潤んだ瞳であたしを見つめる福嶋くん。
何だか捨てられた子犬みたいで不覚にもキュンとしてしまった。
「大丈夫だよ。ちゃんといるから」
お布団をかけてあげる。
「何か飲む? ポ●リ持って来ようか?」
「ああ…」
あたしは福嶋くんに微笑みかけて冷蔵庫にポ●リを取りに行った。
「やべぇ…」
その間に福嶋くんが辛そうに手を額にかざしてぽつりとつぶやく。
「…どうかしたの?」
ポ●リを持ってきて聞き返すと、また捨て犬みたいに潤んだ瞳であたしを見つめた。
「…今日の村瀬、いつもの8割増しでよく見える」
「8割って…後の2割は何が足りないの?」
「……………ロコモコ」
……あっそ;
お粥さえ作れたら完璧だったわけね(ーεー)
「…褒めてんのにそんな不っ細工な顔すんなよな。つかマスクしろよ。いつ外したんだよ。感染(うつ)んだろ?」
「あれれ〜バカは風邪引かないんじゃなかったっけ〜?」
嫌味ったらしく言って、西崎さんと電話をしている最中に外したマスクをポケットから出して目の前でプラプラさせる。
「…ムカつく。今のでおまえの評価が9割ダウン。完ぺき原価割れした。大赤字」
「あっそ。じゃ叩き売り?」
「俺は叩き売りになっても買わねぇけどな。ロコモコ女なんて」
「むっ…(ーεー) こっちだってたとえ1億円積まれたってお断りだもん! 意地悪で変態な抱き枕男なんか!」
ぼすっ…
「…ってーな! ポ●リ投げんじゃねーよ! この鈍器女!」
ぐいっ…
「ひゃっ…!?(>_<)」
いきなり強い力で腕を引っ張られる。
気がつくと、あろうことか福嶋くんの身体に跨がっていた。